物流に走行ロボットを導入するメリット・デメリット
人間とは異なり、常にミスなく持続的な作業を行う走行ロボット。導入のメリットが非常に大きいことは容易にイメージできますが、実際に導入を検討する際には、いくつかのデメリットがあることも理解しておかなければなりません。
当ページでは、走行ロボットを導入する主なメリット・デメリットをまとめています。
走行ロボットのメリット・デメリット
精度の高い作業を持続的・効率的に行う走行ロボット。人件費の削減にもつながるなど、走行ロボットの導入後を想像するとメリットばかりが浮かびます。
しかしながら、走行ロボットの導入に際しては、決して安くないイニシャルコストがかかることも事実。現場環境を走行ロボットに合わせて大きく変更する必要も生じるなど、メリットばかりに目を向けていると気づかないいくつかのデメリットもあります。
以下、走行ロボットを導入する主なメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット
倉庫内作業の効率化
走行ロボットの導入により、倉庫内作業の効率化につながります。
本来であれば、倉庫内のモノを移動する際には、人間による手足と体力が使われますが、人間の体力には限界があるため徐々に作業効率が低下します。場合によっては、モノのセレクトや移動先を誤り、倉庫内全体の作業に影響を与えるリスクもあるでしょう。
これらの作業を走行ロボットに任せれば、体力低下も搬送ミスも起こりません。結果として、倉庫内作業の全体が効率化します。
人件費の削減
人が行うべき倉庫内の搬送作業を走行ロボットが代行してくれる形となるため、その分、現場で必要となる作業人員を減らすことができます。作業人員が減れば、それだけ人件費の削減につながるため、経営側にとっては大きなメリットになるでしょう。
また、走行ロボットに作業内容を指示すれば、すぐに正確な仕事を始めるため、人間の作業員育成にかかる教育費も発生しません。導入時の初期コストはかかるものの、長い目で見れば走行ロボットは現場の大きなコスト削減を実現します。
なお、走行ロボットの導入で現場から離れた人員については、より重要度の高い現場(人間でなければならない現場など)へと配置すれば、限られたリソースの有効活用へつなげることが可能。会社経営全般に好影響をもたらすことでしょう。
精度の高い作業に期待できる
走行ロボットは、指示された作業をミスなく継続的に行います。人間とは異なり、基本的に作業ミスのリスクはゼロなので、作業前にダブルチェックを行う必要はありません。また、ミスが起こらない以上、事後的にミスの修正を行う必要もありません。走行ロボットは、安定した作業スピードを維持しながら精度の高い仕事をひたすら続けます。
デメリット
導入・維持費用がかかる
走行ロボットを導入するためには、決して安くないイニシャルコストがかかります。また、走行ロボットの正常な働きを維持するため、メンテナンスなどのためのランニングコストもかかります。
特に考慮しておきたいのがイニシャルコスト。数十万円で導入できるロボットもありますが、人間に代わる十分な作業性を期待するならば、数百万円のイニシャルコストがかかることは理解しておくべきでしょう。
走行ロボットにより人件費や教育費が削減されることは確かですが、イニシャルコストやランニングコストとのバランスも考慮し、十分に検討のうえ導入を決めたほうが良いでしょう。
現場の環境を変える必要がある
走行ロボットを導入した場合には、走行ロボットの作業性を最大限に引き出すため、現場の環境を変える必要があります。
倉庫内のレイアウトを変えるだけではなく、走行ロボットの取り扱い方を現場に浸透させたり、走行ロボットと人間の協業マニュアルを作成し周知させたりなど、モノも人も大きく変えなければなりません。現場を変えたくない従業員の意識を変えることも、走行ロボット導入の際のハードルになることもあるでしょう。
まとめ
走行ロボットを導入すれば、現場の作業精度や生産性は上がります。また、人件費や教育費の削減にもつながります。
ただし、導入に際しては大きなコストがかかることも事実です。また、走行ロボットに合わせて現場環境を変える必要も生じます。
どのようなメリットがどの程度生まれ、どのようなデメリットがどの程度生まれるかは、まだ走行ロボットを導入していない現場で想像することは難しいでしょう。導入するかどうか検討中の企業様は、一度専門業者に相談してみるようおすすめします。