製造業
少子高齢化の影響もあり、労働力不足が深刻な問題となっている製造業。しかし、走行ロボットを導入することで問題を解決できるケースも見られます。ここでは、製造業における走行ロボットの導入メリットと事例について見ていきましょう。
製造業で導入するメリット
作業員の身体的負担を軽減できる
製造業では、製品や資材といった比較的重量のあるものを運搬するケースが見られますが、こういった業務を走行ロボットに任せることで作業員の身体的負担が軽減。体力不足・肉体的疲労を理由とした退職、重労働というマイナスイメージの払拭が期待できます。
多品種少量生産への対応が可能に
消費者ニーズの多様化により、少品種大量生産から多品種少量生産への路線変更が求められている製造業。自律型の走行ロボットであれば、生産品目の切り替え・レイアウト変更にも柔軟に対応できるため、多品種少量生産へのシフトチェンジもスムーズに行えるでしょう。
製造業の導入事例
重い材料の運搬作業を7割削減
金属加工メーカーである小林超硬研磨では、鉄よりも比重の大きい超硬合金を運搬。箱いっぱいに材料を入れた場合、重量は約20㎏になり、台車での運搬に時間がかかっていました。しかし、AMRによる自動搬送の導入で、作業員による作業を7割削減。アプリによる、現場以外からの搬送にも対応できています。
安全性の高い工程設計を実現
ロール加工会社では、重量物の搬送に天井クレーンを使用していますが、操作を行うオペレーターの時間拘束が問題となっていました。そこで、全方位に搬送できるAGVを導入。レイアウト設計にも柔軟に対応でき、車体の駆動安定感も向上。安全性の高い工程設計が実現しました。
走行ロボットの選び方
現場の通路幅を考慮して選ぶこと
製造業の現場で走行ロボットをスムーズに稼働させるには、通路の幅・スロープ・段差といった環境に合った製品を選ぶ必要があります。とくに自律移動ロボットの大きさについては、通路の幅より小さいものである必要があります。また、作業員との接触事故を防ぐための安全対策についても注目すべきでしょう。
まとめ
労働力不足・業務効率アップが期待できる
走行ロボットは、製造業における人手不足の解消・業務効率の向上に役立つソリューション。「物を決められた場所に運ぶ」という単純な繰り返し作業を安定して行えるという点も、製造業に適していると考えられます。何を運ぶか、どういった環境で使用するのかを考慮しつつ、自社のニーズに合ったロボットの導入を検討してみてください。